
小諸市の製糸産業遺産『純水館』
荒町の北国街道沿いにお店をかまえる(株)酢久商店『小山久左衛門正友氏』が明治に創業した、フランス式の製糸工場です。
名前の由来は、諸区にある名水地『弁天の清水』が元になったと言われています。

大正時代には神奈川県の茅ケ崎に工場を操業したことでも知られています。
その後、純水館は時代の流れとともに閉鎖されました。
現在はプラスチック工場が稼働している敷地内に当時の建物の一部(事務所・食堂・講堂)が残されていたのです。


まだ、当時の建物の一部でも残されていると初めて知った私は、お魚加えたドラ猫を追いかけるサザエさんの如く、ハダシで工場の跡地まで駆けていき見に行きました。


少し奥まった場所にある『純水館』の看板を見つけた時は、感激したものです。
しかし、建物の老朽化により2022年2月1日(火)から解体工事が開始されました。
少し遅れて、2月5日(土)に知らせを目にした私は、買物に出かけたサザエさんの如く、今度は財布も持たずに純水館へと急ぎました。



建物には工事用防音シートがかけられており、すでに建物の取り壊し作業が始まっていました。
純水館看板奥の入口シャッターもすでになくなってましたので、手前の部分だけパシャリとしてきました。



入り口脇にあった、草刈鎌付き郵便受けも外されてますね。
私は小諸生まれでもなければ、純水館に縁もゆかりも思い出もありませんが、歴史的建造物が取り壊されるのは寂しさがあります。
保存するのには費用がかかりますし、安全性を考えると仕方がないのですが。

今年の夏ころには、建物内に残存していた産業遺物の企画展が、市内のギャラリーにて開催されるとのことですので、楽しみにしながら純水館の最後を見守りたいと思います。
◎製糸工場『純水館』事務所、講堂跡
・長野県小諸市六供